はじめに|点かなくなった日のこと
使い始めて、しばらく経った頃。
ある日、いつものようにスイッチを入れても、
Anglepoise mini mini 90 が点きませんでした。
一瞬、
「あれ?」
と思っただけで、
強いショックはありませんでした。
叩いて直るような不調でもなさそうで、
電球でもなさそう。
たぶん、内部のどこかだろうな、という感覚。
少し間を置いてから、
もう一度スイッチを入れてみて、
やっぱり点かない。
そのときも、
「壊れた」という実感より、
「さて、どうしようか」という感覚のほうが近かった気がします。
不思議だったのは、
代わりの照明を探そう、という発想が、
ほとんど浮かばなかったことでした。
高い照明は、壊れたらどうなるのか
Anglepoise mini mini 90 は、
正直に言えば、
気軽に買える価格の照明ではありません。
買う前から、
高いな、とは思っていましたし、
壊れたら面倒そうだな、という気持ちもありました。
修理できるのか、
どこに頼めばいいのか、
そのあたりも、正直よく分からないまま。
そういう不安を抱えたまま、
使い始めた照明だったと思います。
実際、
点かなくなったとき、
それらの心配が
一気に頭をよぎったのも事実です。
ただその瞬間、
「やっぱりやめておけばよかったな」
という言葉は、
不思議と浮かんできませんでした。
先に、いまの価格と仕様だけ置いておきます。
読み進めながら、
「残すかどうか」を考えてもらえたら。
壊れたあと、最初に考えていたこと
代わりを探すより、修理先を探していた
点かない理由を細かく調べるより先に、
自分がやっていたのは
「どこに連絡すればいいか」を探すことでした。
故障の原因を特定したかった、というより、
直す選択肢があるのかどうかを知りたかった、
という感覚に近いと思います。
購入した経路的に、
まず販売店に相談する、という流れではありません。
メーカーのサポートページを辿りながら、
修理について書かれている情報を拾っていく。
そんな順番でした。
この時点では、
「直すか、諦めるか」を決めたいというより、
壊れたあと、どう動けるのかを確認している
という状態だった気がします。
調べた範囲で見つかった、現実的な修理先
調べていく中で、
Anglepoiseの修理を請け負っているという情報として
自分が見つけたのが、
有限会社リンインクープでした。
福岡にある会社で、
Anglepoiseの修理を扱っている、という内容を
いくつか確認できました。
公式に大きく案内されている、というより、
実際に修理した人の情報や記録が点在していて、
それを辿っていった結果、
ここに行き着いた、という感覚です。
「ここしかない」と思ったわけではありませんが、
その時点で、
自分が連絡を取れそうな現実的な選択肢
ではありました。
自力修理も一度は考えた
同時に、
自分で修理できないかも調べました。
配線の断線なのか、
スイッチまわりなのか。
電球以外のトラブル例も、いくつか目にしました。
ただ、
不具合はどうやら内部の問題らしく、
一度分解する必要がありそうでした。
専用の工具を揃えて、
構造を理解して、
元に戻せる前提で作業する。
もし途中で戻せなくなったら、
それ自体がリスクになる。
「できなくはない」かもしれないけれど、
安全に、納得して使い続ける方法として考えると、
正直、素人にはハードルが高い。
自分で直す、という選択肢も並べたうえで、
今回は現実的ではないと判断しました。
郵送修理という、少しだけ手間のかかる選択
結果的に選んだのは、
照明を梱包して、福岡へ郵送する方法でした。
流れとしては、
まずフォームから問い合わせて、
その後はメールでやり取り。
指示に沿って照明を送り、
修理が終わったら返送される、
というシンプルな手順です。
修理後に分かった不具合は、
シェード部分の内部トラブルでした。
自分でどうこうできる内容ではなく、
ここは素直に任せるしかありません。
往復のやり取りを含めて、
手元に戻ってくるまでに
だいたい一週間ほど。
時間も、手間も、
決してゼロではありません。
ただ、
想像していたよりも
大きな負担ではなかった、
というのが正直なところです。
それでも修理に出した理由
正直、
郵送でのやり取りは面倒でした。
手軽とは言えないし、
時間も、それなりにかかる。
それでも修理に出したのは、
他の代わりを探すより、
これを使い続けたい気持ちのほうが、
自然に勝っていたからです。
理由を並べて決めた、というより、
そう考えている自分に
途中で気づいた、
という感覚に近かったと思います。
憧れて選んだ、
という要素も、たぶんあります。
ただ、
別の照明で埋めるより、
この灯りを
どう元の場所に戻すか。
判断は、
気づけばその方向に
静かに傾いていました。
修理が終わって戻ってきたとき
修理が終わった照明が戻ってきたとき、
特別な達成感があったわけではありません。
ただ、
ちゃんと直って戻ってきたことが、
素直にうれしかった。
「ああ、よかったな」
そのくらいの安心感でした。
そのあと改めてデスクに置いてみて、
またいつもの位置で灯りを点けたとき、
少しだけ愛着が増えた気がします。
判断として正しかったかどうかは、
正直、分かりません。
ただ、
代わりを探すより、
新しく選び直すより、
元に戻ってきたこの灯りのほうが、
自分の生活には自然でした。
それだけだったと思います。

修理できる=安心、ではない
誤解してほしくないのは、
「修理できるから安心」
「だからおすすめ」
という話ではない、ということです。
実際、
壊れる可能性はあるし、
修理は簡単でもない。
時間も、お金も、かかります。
自分で直せるような照明ではありません。
気軽に扱える道具とも言えない。
それでも、
それを含めたうえでの距離感が、
自分には合っていた。
ただ、それだけの話です。
もし、また同じような不具合が起きたら。
たぶんそのときも、
もう一度、修理に出すと思います。
それが正解かどうかは、
正直、分かりません。
生活が変わっていたら、
そのときは手放すかもしれない。
「一生使える」とか、
そういうことは考えていません。
ただ、
少なくとも今は、
壊れたからといって
すぐに手放したいとは思わなかった。
それくらいの距離感で、
この照明と付き合えている。
今は、そう感じています。
使い続けている、という事実だけ
Anglepoise mini mini 90 は、
憧れて選んで、
使ってみて、
気に入って。
壊れたあとも、
修理して使い続けています。
理由をうまく言葉にするとしたら、
「これでいい」と思えた、というより、
「これがいい」と感じている、
それだけかもしれません。
検討している人にとって、
この照明が
気になる存在であるなら。
壊れたあと、
自分がどう向き合ったか。
その一例として、
この記録があればいいなと思っています。
壊れたあとのことを知った上で、
それでも候補として残るか。
いまの状態だけ、ここで確認できます。
次に進むなら
もし、
高い照明が気になって、判断が止まっている
壊れたときのことが引っかかっている
そんな状態なら、
この話は
判断材料のひとつにはなったかもしれません。
それでも、
まだ少し整理しきれていない感覚があるなら、
購入前に感じていた迷いをまとめたページがあります。
→[01 迷い|Anglepoise mini mini 90 が気になるのに決めきれなかった理由]

一方で、
「それでも自分は、これを残したいと思えるか」
そこを確かめたくなったなら。
最終的にどんな前提で判断したのかを、
そのまま書いたページもあります。
→[03 決断|Anglepoise mini mini 90 をすぐに買わなかった理由と、最後に残った判断]

どちらに進んでも、
進まなくても、
ここまで考えた時点で、
判断としては十分だと思います。
ここまで読んで、
それでも「使い続けたい側」に
気持ちが傾いているなら。
いまの価格と仕様を、最後にだけ。







